工藤紘一の著書

 工藤紘一の著書 


   田山暦・盛岡暦を読む  南部の漆を支えた人びと  いわて 漆の近代史   <お取寄せの方法>


田山暦・盛岡暦を読む                 A4 209ページ 平成16年発行 定価1600円(税込)

江戸時代、盛岡藩内にきわめて特徴のある暦が登場した。 文字を知らない人たちにも暦の知識を広め、相次ぐ飢饉の被害から少しでも農民を救おうとして、 文字ではなく、絵で表した暦が考案されたのである。この暦は俗に「めくら暦」などと呼ばれていた。
最初に作られたのは現在の岩手県八幡平市田山だが、この影響を受けやや遅れて城下の盛岡でも作られるようになった。 両者の形態や描き方などはほとんど違うので、「めくら暦」には2種類あると考えるのがよい。 作られた土地の名をかぶせて、「田山暦」「盛岡暦」と呼べば区別しやすくなる。 たとえば「入梅」は、田山暦では「小さい梅の実のついた枝」で、盛岡暦では泥棒が荷を奪い去る絵で 「荷・奪い → ニ・ウバイ」と読み取ってもらうようになっている。 本書ではこのように読み方を初めとして関連事項も載せ、2つの「めくら暦」をわかりやすく解説した。    

■主な内容
  ・「めくら暦」を読む
  ・田山暦
  ・盛岡暦
  ・東北大学付属図書館所蔵の「めくら暦」
  ・南部の私大

 
南部の漆を支えた人びと               A4 172ページ 平成18年発行 定価1600円(税込)


岩手県北地方は国産漆最大の産地として知られている。漆の木が豊富にあることと、漆掻き職人がいることで、 この産業は成り立っている。しかし、明治以降、福井県今立地方から多数の漆掻き職人が出稼ぎに来ていて、 この地方の漆産業に大きな影響を与えたことは、今となってはほとんど忘れ去られている。 迎え入れたこの地方の人たちは彼らを「越前衆」と呼んでいた。
本書はその「越前衆」の南部地方(この場合は主として岩手県二戸地方と青森県三戸地方を指す)への進出の様子、 南部地方に定住した彼らの子孫からの聞き書きなどを中心にして、現段階で知り得る「越前衆」の全貌解明に努めた。
彼らが南部地方の漆掻きに与えた影響は大きく2つにまとめられる。1つは「殺し掻き」という掻き方を広めたこと、 もう1つは漆掻きのための優れた道具を普及させたことである。
福井県は今では漆掻き職人が途絶えたため「殺し掻き」は廃れてしまった。優れた道具を作った鍛冶屋ももういない。 福井県で見られなくなった技術が、今は遠く離れた南部地方に継承されているのである。 現在は気づかないが後になって考えると、このことは単に一地方の問題ではなく、 わが国の漆文化の歴史にとって大きな出来事だったと思われる日が来るような気がしてならない。    

■主な内容
  ・江戸時代の越前衆の出稼ぎ状況
  ・東北地方への進出
  ・南部への進出
  ・南部への定住者
  ・南部への経路
  ・越前衆のもたらしたもの
  ・聞き書き「越前衆」
  ・定住した最後の越前衆 上坂武信氏
  ・東北地方の越前出身者

 
いわて 漆の近代史                 A4 249ページ 平成23年発行 定価1890円(税込)


二戸市浄法寺町を中心とする岩手県北地方は国産漆の最大の産地で、約6~7割を生産する。漆器も古くから作られていて、 言い伝えでは、奈良時代に開かれた古刹・天台寺の僧侶たちが用いた器に始まるとされている。 ところが現段階では漆や漆器の記録が明確になるのは江戸時代からである。本書では主として扱ったのは近代なのだが、 近代を理解するためには近世の様子も知る必要があるので、盛岡藩に関する史料などを中心に概略を述べた。 明治から大正にかけて頻繁に開催された博覧会・共進会への出品状況からはかなりの盛況ぶりがわかるし、 史料や聞き取り調査からは輪島や会津との繋がり具合も見える。
また、単に漆と漆器だけでなく、漆の実を原料に漆蝋の生産が行われ、当地方の重要な産業であったことや、 枯れた漆の木を細工して漁網につけるウキ(アバギとかアバと言う)を北海道から九州まで移出していたことなど、 今となってはほとんど忘れ去られようとしていたことにも触れている。 書名に「いわて」と付けたように岩手の漆に関することが中心なのだが、説明のために全国の様子を述べている部分もあるので、 漆に関心のある多くの人たちに読んでいただきたいものである。    

■主な内容
  ・いわて 漆の歴史
  ・二戸地方の漆蝋
  ・浄法寺のアバギ
  ・安比川上流域の木地と塗り
  ・輪島や会津との交易、交流
  ・岩手の漆 ― 明治、大正時代博覧会等史料から ―
  ・大正時代の岩手の漆
  ・昭和前期の岩手の森

 

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